2015年6月22日月曜日

林芙美子遺品中の周作人書簡 木山英雄


 木山英雄先生の近著作「資料紹介 林芙美子遺品中の周作人書簡」が公刊された。
東京大学伊藤徳也教授を主編とする『周作人研究通信』第3号2015年6月8日に
掲載されている。(http://home.netyou.jp/88/iton/index.files/Page1262.htm)
 林芙美子と周作人との交流は、『文藝』(1941年5月号改造社)に林芙美子が寄稿した「周作人氏へ」によって知られていた。しかもその交流を裏付ける周作人の書軸が芙美子の手許にあり、現在は新宿歴史博物館にある。だが、それを知るのは一部の研究者だけで、林芙美子と周作人のことはさほど世間の注目を浴びなかった。
  ところが、この文章には注目すべきことが書かれている。なんと、林芙美子には周作人から届いた手紙があったというのだ。これまではそういうものが存在するとは誰も知らなかった。だが、載せられた画像をみると、これがそれなのかと初めて見る書影に驚くしまた納得もする。しかし、読み進むと、さりげない表現の中に驚くべき事実が隠されていることに気がつく。