2012年7月19日木曜日

白浜 臨海浦にアオウミガメ 50年ぶり テント野宿のドイツ青年 Mathias Kirf 2012.7.17


記事を書いたのは紀伊民報の沖本真孝氏

紀伊民報
写真説明

ウミガメが産卵したとみられる場所を指差すマティアス・キルフさん(右)と久保卓哉さん=白浜町、臨海浦海水浴場で

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海に戻るウミガメ。後ろのテントはキルフさんが寝ていたテント(17日午前3時半ごろ、臨海浦海水浴場で)

<臨海浦にウミガメ テント泊のドイツ人目撃 白浜>

白浜町の臨海浦海水浴場で17日未明、ウミガメが上陸しているのを砂浜でテント泊していたドイツ人のマティアス・キルフさん(33)が見つけた。町は砂浜を掘らず、産卵したとみられる場所にロープを張って保護している。キルフさんは「自然との素晴らしい触れ合いができ、感激した」と笑顔で話した。

キルフさんはチューリッヒ工科大学(スイス)の博士課程で海洋環境科学を専攻。8~13日に大津市であった先進陸水海洋学会に参加した後、白浜町に来ていた。

ウミガメを見つけたのは17日午前2時ごろ。「ハァー」「フー」と聞き慣れない音で目が覚めた。ウミガメが上陸しているのを見つけ、明かりをつけずに観察を続けた。約1時間半後、海に戻ろうとした時に写真に撮った。

キルフさんは白浜町を訪れたのは初めてで、4日間で潮岬や熊野の各地を自転車で回る予定だった。途中で無理と判断し、白浜に戻った夜にウミガメに出合ったという。

「ウミガメを見たのは初めて。辺りが暗く、初めは怖かったが、産卵場所を探していると分かり、静かに見守った。各地を回れなかったのは残念だが、ウミガメと出合えたので満足」と話した。

同日早朝、浜でごみ拾いをしていた久保卓哉さん(65)=同町瀬戸=にたまたま出会い、英語が堪能な久保さんに一部始終を伝え、久保さんの知り合いが町に連絡した。

同町ではここ数年、白良浜海水浴場や同町中の浜などでウミガメの上陸、産卵が確認されているが「臨海浦海水浴場での上陸確認は記録がない」と町観光課。臨海浦海水浴場のそばで50年以上住んでいる雑賀信也さん(86)は「かつてはよく上陸、産卵していたが、ここ40、50年は見たことがない」と話している。(沖本真孝 記者)
紀伊民報がニュースとして報道
2012.7.19夕方届いた 紀伊民報の第一面

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